
アメフラシは漢字では、雨降らし、雨虎、雨降と書きます。
英名は「Sea hare」で、頭のつのがウサギのように見えることからだそうです。アメフラシは春先に潮が引いた磯に出かけるときどき見かけることがあります。
水深が10cm~3mほどの浅瀬に生息していますが、波打ち際にうち上げられていることも。だいたい、体の大きさは15cmほどあり、改めて探してみたらなかなか見つからないことも。
もくじ
アメフラシの食べ物は?ウミウシと違うの?貝?
アメフラシの食べ物は、浅瀬に生えている海藻類です。
嗅覚に優れていますので、触覚でかすかな臭いを感じ、餌を探し出します。
浅い海の中を動きまわって、いつも海藻を探しています。海藻が見当たらないときには、穴を掘って餌を探すこともあります。
・ウミウシとの違い
種類にもよりますが、アメフラシよりもウミウシの方がサイズが小さいことが多いです。
アメフラシとウミウシ!同じ貝類の仲間です
実はアメフラシとウミウシは同じ貝類の仲間です。硬い貝殻は見あたらなくても、体の中にわずかに残っているみたいです。
アメフラシの背中を触ると、硬い貝殻が内側にあるのがわかります。
インド洋、西・中部・東太平洋、大西洋には貝殻が完全に退化したも種類のものもいます。
食べものの違いでは、アメフラシはわかめなどの海藻類を食べ、ウミウシは海綿やコケムシといった生き物を食べるそうです。
アメフラシの名前の由来は、体から紫いろの液体を放出することから名がついたそうです。

液体が放出されることで、雨雲のように立込めることからその名前、アメフラシという名前がついたのだそうです。
アメフラシに比べ、比較的、種類が多いのがウミウシです。
体の色や形もさまざまです。その種類ではマダラウミウシ、アカエラミノウミウシ、ムカデメリベといったものです。
・貝の仲間
水族館でも人気のクリオネはハダカカメガイ属に分類されている巻貝です。ナマコは貝の仲間ではなく、ウニやヒトデの仲間でクリオネの方がアメフラシに近い存在です。
アメフラシの種類とは?どの辺に生息しているの?
アメフラシの種類と生息分布について
1.アマクサアメフラシ

日本各地や韓国、中国、朝鮮半島などに生息しています。手の平1枚分くらいの大きさで基本的に班模様が多く、色彩の変異が激しいとされています。体液は紫いろではなく白色です。
2.ゾウアメフラシ

世界最大の種類で、大きさは70センチにもなり、大人の手の平4枚分くらいです。
色は暗褐色、紫いろ、黒い色の斑点や網目状の模様があります。
3.クロヘリアメフラシ

世界でも熱帯や温帯海域に生息し、とても小さな種類で2cmくらいです。
色は褐色から黒色、白色の斑点があります。赤色の海藻の間に隠れていることが多く、見つけにくい種類です。
アメフラシは食べれるの?毒がある?餌は?
アメフラシは危険を感じたりすることで、紫いろの液体を海水中にまき散らします。
紫いろの液体が出る器官は「紫汁線」といい、液体の成分は、フェコエリスロビンとアプリシオビオリンといった成分が含まれています。
アメフラシの天敵は、大型甲殻類なのでそれから身を守るために液体を放出するのです。
この成分には接触阻害活性があり、甲殻類のまわりにそれをまき散らすことで甲殻類は食欲がなくなり、アメフラシから離れていきます。
・アメフラシの毒について
アメフラシは食べた餌によって、皮膚に毒素を持つことがあります。
なので、基本的に食用には適さないと考え他方がよいでしょう。
ただ、毒素のない海藻類で育ったアメフラシは食用に適します。
鳥取県の一部や千葉県の地域ではアメフラシを食べるところもあるようですね。
・研究の対象とは?
アメフラシの出す紫いろの液体は、制癌作用があると考えられているそうです。
見た目、地味な生き物のアメフラシ、実はすごい生き物だったのです。
アメフラシはオスとメスがいるの?ウミゾウメンとは?

ウミウシもそうですが、アメフラシは1匹の身体の中でオスとメスの役割を持ったつくりになっています。
アメフラシは、体の前がオス、後ろがメスの機能を持っています。
そのため、交尾するときでは5匹以上で連結していることもあるそうです。
これは海でアメフラシが何匹か縦にならんで交尾している風景です。
アメフラシの卵は、ウミゾウメンといいます。
これは、橙色で少し縮れた細長いひものような塊です。
ラーメンの麺やケーキのモンブランなどと間違えそうですが、この中には数万個の卵が入っています。
まとめ
地域によっては、呼び名もゴザラ、ベコ、ウミシカと呼ばれているみたいです。アメフラシを食用として食べるか?ということについては、基本的に食べない方がいいみたいです。アメフラシの場合、食べる藻によって毒性がある場合があります。